海外移住と荷物の管理

フランスに移り住むことが決まったとき、私は東京で一人暮らし13年目だった。

もともと私は物をため込むたちだし、そうでなくても10年を超えるぶんの荷物なので相当な量である。全部フランスに持って行くわけにもいかず、かといって荷物のために東京の部屋を借り続けるような経済力があるはずもなく、部屋を引き払うにあたって荷物を置いておく場所が必要になった。

大半は実家に置いておくことになったが、そうもいかないものもあった。なぜならうちの母は「良かれと思って」私の部屋を留守の間に勝手に模様替えしたり、私宛の郵便物を開封したりした実績が既にあるからだ。かつ、両親ともオタクには人権などないと思っているタイプの人種であり、それなのに私はオタクである。

一人暮らしで羽根を伸ばして買い集めたマンガや同人誌やDVDやグッズのたぐいを、実家に置いておく気にはなれなかった。

そこで利用したのが、個人向けレンタル倉庫サービスの Sumally Pocket (サマリーポケット)だ。

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専用の段ボールで1箱単位で預けられ、預け入れも宅配便の集荷を利用するので、車など輸送手段を持たない人にも優しい。帰国時のことを考えても、私の場合日本のどこに行くことになるかわからないので、特定の場所のトランクルームを借りるより、どこへでも宅配便で送ってくれるこちらのサービスのほうが使いやすいと判断した。

箱の中身をひとつひとつ写真に撮ってリストにしてくれ、必要な時にアイテム単位で取り出せるプランもあるが、私のように当分預けっぱなしで、アイテムごとに取り出す必要もない場合は、別プランでもっと安くなる。レギュラーボックスで一箱月額250円、ラージボックスでも350円。ラージボックスは25kgまで物を入れられ、68×47×35 cmと結構な容量である。本などは箱一杯に詰めると確実に重量オーバーになるので、服やぬいぐるみなどで調整する必要があった。

さらに、海外では使いそうにないが段ボールに詰めっぱなしにもしたくないスーツなどは、1点あたり月額60円のハンガー保管を利用している。クリーニングのオプションもあり、やること満載だった渡航前に手間が一つ減ってありがたかった。

 

サマリーポケットは、固定のトランクルームと違い、物の出し入れごとにお金がかかるが、逆に預けっぱなしならかなり費用が抑えられる。なので、物の出し入れはしないが場所だけ必要という、まさに海外移住(かつ帰国の見込みがある場合)のようなシチュエーションにマッチしたサービスであると思う。私のように家族に見られたくないモノがあるというパターンは少ないかもしれないが、普通に渡航にあたって荷物の置き場に困っている人にもおすすめだ。大切な荷物は安心のプロに任せて、身軽に渡航してしまおう。