今年もふたご座流星群の季節。Google Doodleのおかげで思い出した。
流星群はフランス語では、une pluie d'étoiles filantes。「流れ星の雨」だ。日本語でも流星雨という言い方があるので*1、考えることは一緒ということだろう。
東京にいた頃は、住んでいたマンションの非常階段を一番上まで上って、なんとか周りの街の明かりを目に入れないよう涙ぐましい努力をしながら、寒さに耐えられなくなるまで夜空を見上げたものだった。それでも見つけられた流れ星はひとつかふたつだったけれど。
ボルドーは東京より空気のきれいさなどの条件は良さそうだが、残念ながら連日雨続き。家にもせっかく天窓があるというのに、上手くいかないものである。改めて、冬の東京は本当に晴ればかりだったなと思い出す。
私にとって流星群といえば、2001年のしし座流星群の大出現である。
中学生だった私は、一旦寝てから夜中に起きようとして微妙に寝過ごし、確か極大を少し過ぎたくらいの時間に慌ててベランダに飛び出した。
その瞬間、目の前でいくつもの星が尾を引いて流れた。
私はたぶんこのシーンを一生忘れないだろうと思う。それぐらい派手な流星群で、そこそこ都会育ちで流れ星なんかまともに見たことさえなかった私には衝撃的だった。興奮で震えながら家族を叩き起こし、ひたすら「すごいねぇ」と言いながら飽きずに眺め続けた。
それ以来、ふたご座流星群、ペルセウス座流星群、それに流星群だけでなく日食や月食など天体ショーは数多あったけれど、あの夜を超える感動には出会えていない。
凡人の私にもあれだけすごい印象を残した流星群だったのだから、何か創作をする人々にはもっと大きな影響があったのではないか、というのがこのエントリの仰々しいタイトルで言いたかったことである。Spotifyの00年代プレイリストを聴きながら作業していたら、コブクロの「流星」が流れてきて、なんとなく思ったのだ。例えば歌とか小説とかで、流れ星の出てくる作品が急に増えたとか、そんなことはなかったのだろうか。しし座流星群ではないが、ユーミンの「ジャコビニ彗星の日*2」のように。
今まで私が触れたことのある作品の中で最も直接的にしし座流星群が出てきたのは、辻村深月の「凍りのくじら」かなと思う。
辻村深月は、読んでいてなんだか自分と近い感覚を持っているなと思うことが多く、同じ時代に似たようなものを見て生きてきたんじゃないかと勝手なシンパシーを抱いている。しし座流星群も、「あのとき同じものを見た」の象徴的なもののひとつだ。
「しし座」と明言されていなくても、流星群と言われれば私の中ではアレが再生される。世界中の人の中に共有されたイメージがあるということは、何かを表現したり売ったりするのに絶大な威力があるんじゃないだろうか。日食や月食には微妙に不気味な部分があるが、流星群はロマンティックでスペクタクルな感じだし。
…いや、自分で調べるほどの熱意はないのだが、誰か調べたりしてないのかな。学問としてどういうジャンルになるのかわからないが。
*1:厳密には「流星群」との定義は違うようだが
*2:この歌は彗星ではなくジャコビニ流星群のことを歌っており、予想が外れてあまり見えなかったことを恋人からの連絡が減ってしまった寂しさに重ねている

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