ここボルドーは北緯約45℃で、日本で言えば北海道でもかなり北の方にあたるのだが(気温は海流のおかげでかなり暖かい)、それでもまあパリやイギリスなんかに比べればずっと南なので、日の長さは日本人の想像の範囲内であるはずだ。でも一昨年の夏に初めてボルドーに短期滞在したとき驚いたのは、夜10時くらいまで平気で明るいことだった。日本なら、例え夏至に宗谷岬まで行ったところでそんな時間まで日があるはずがない。自分の感覚と折り合わず不思議だった。
しかし長期滞在を開始してわかってきたことは、実は日が長いわけではなく、日の出も日の入りも遅い、つまり太陽の動きと時計の関係そのものがどうも違いそうだということだ。今4月下旬だが、日の出は朝7時、日の入りは夜9時。もちろん地域差はあれ、日本では太陽は正午あたりで南中し、1日のうちで一番気温が高いのはだいたい2時頃で、世界中そんなものだと思っていたが、ボルドーにいると全体的に2時間ちょっとぐらい後ろにずれている感じがする。(サマータイムなせいもあると思う。)
日本人的にはなんだか妙だが、夜遅くまで明るいのはありがたいし、日の出とともに起きて日没とともに休息に入るというサイクルに実生活が寄せやすいなと感じる。
ただ、遅くまで明るいからと油断していると、結構な「夜」の時間になっていて慌てることが多い。だって8時になっても晩ごはんを食べるような明るさとは思えない…。これからますます日が長くなるが、だんだん慣れていくのだろうか。