エールフランスの機内誌を眺めていたら、小川糸の「ツバキ文具店」があらすじ入りで紹介されていてびっくりした。読んだことはないのだが、確かNHKでドラマをやっていたやつだ。フランス語に翻訳されたものが、今年の8月に出たばかりらしい。
ほかの作品も結構訳が出ている。フランスでも人気なのかな?
以前ボルドーの本屋をぶらぶらしたときは、「博士の愛した数式」の小川洋子の作品が、村上春樹より多いくらいな勢いで並んでいてこれも驚いた。もちろん日本でもメジャーな作家さんではあると思うけれど、数少ない日本語からの翻訳作品の中でのシェアを見ると、良い翻訳家がついたということなのか、あるいは何か特にフランス人に刺さるところがあるということなのか。
本屋では、小説よりもマンガの方が、日本人の私も聞いたことがないような作品まで膨大に訳されて、立派なコーナーが設けられている。が、例えば手塚治虫を見ると、目につくのは「アドルフに告ぐ」とか「奇子」とかだったりして、アトムとかジャングル大帝だとかは見当たらなかったりする(訳されてはいるのだろうと思うが)。
不思議だと思う一方で、今ONE PIECEやNARUTOや進撃の巨人ではなく(このあたりは最新刊まで当たり前のように揃っている)、手塚治虫を読もうと思うフランス人というのを勝手に想像してみると、確かにそのあたりが好きそうかも、という妙な納得感もある。
日本の本屋に並んでいるフランス人作家の本も、もしかしたら本国の人が見ればちょっと面白いラインナップなのかもしれない。